
寺田ヒロオ(本作連載時のコメントから) ぼくは「小学校の先生」「プロ野球選手」「漫画家」の三つに憧れていた。 曲折はあったが、今こうして好きな野球を思う存分漫画に描き、子どもと 対話している。願いが、三つともかなったようなものだ。 【あらすじ】 町内野球大会の開幕を翌日に控えた、Zチームは優勝を目指している だけに練習にも熱が入っている。ところが、拾った練習用のボールを 返してくれない、ワンパク坊やの出現により練習が中断。怒ったゴ ンちゃんらは坊やを注意するものの、練習の邪魔は増すばかりだ。 なぜかゼロくんだけを憎む坊やは、医者である父親に告げ口をする のだった。その後誤解が誤解をよび、ゼロくんは大事な野球大会に三日 間出場できないという重い罰を受けてしまう。 主軸を失ったZチームは念願の優勝を勝ち取ることができるのだろうか? 坊やの勇気が今、試される! (第23話 最高殊勲賞のトロフィーとゼロくんのサインボールの巻より) 【解説】 漫画家の聖地「トキワ荘」で「テラさん」の愛称で慕われた寺田ヒロオ。 真っ先に思い浮かぶ代表作は『スポーツマン金太郎』と本作『背番号0』だ ろう。どちらも読者(子どもたち)の事を第一に考えられた傑作だ。 おとぎ話の登場人物がプロ野球で大活躍する華やかな設定の『スポ金』 に対し、『背番号0』はどこにでもいるような野球少年「ゼロくん」を主 人公に据え、家族、友達、学校、町内といった日常を描いた生活漫画だ。 ときには間違いもするし失敗もする、身近な主人公だからこそ伝えられ る事があると、テラさんは考えたのだろう。ゼロくんと仲間たちから発信 される、スポーツマンシップの爽やかさと友情の大切さは人気を呼び、芳 文社の「野球少年」で5年もの長期に亘り連載。同誌廃刊後は「少年サンデ ー」→「学年誌」→「ボーイズライフ」と掲載誌を移しながら連載が続けら れた。本書は作品の原点といえる「野球少年」連載分を全て収録した初の完 全版である。 テラさんの漫画観が100%反映された快作を是非楽しんでいただきたい。 野球少年だったあの頃の気持ちを思い出せるはずだ。 作者は寺田ヒロオ。 出版社はパンローリング。 現在1巻まで刊行。 読者評価 3.54 / 5。