
■小沢先生からのメッセージ 丹下左膳は天ぷらウエスタン―― 旧制中学を中退した林不忘(本名長谷川海太郎)は大正七年18才の時 アメリカに渡り流浪の果てに体験を通して書いたメリケン・ジャップものと 言われた小説を手掛けるのだが、その中でも西部劇の皮を覆った時代小説こそが丹下左膳だ。 新版大岡政談から始った丹下左膳のハイテンポな展開は和製西部劇と言ってもいいだろう。 その醍醐味を一歩進めて後のハリウッド映画に触発されて ノンストップ・アクションに仕立てて描いたのがボクの丹下左膳であって これをハリウッド映画の皮を覆った天ぷらウエスタンと自称している。 息つく間もなく矢鱈滅鱈に人を斬りまくるボクの丹下左膳は連載当時 危ない漫画として悪書追放の会なるお母さんたちの槍玉に挙げられて吊し上げを食ったものだ。 危ない丹下左膳はノンストップ・アクションでもあり、 今この作品がどう受け止められるかは、ボクの新作にも影響するだろう。 【解説】 元々、一本の豪刀として戦国の血を吸った業物を名工関の孫六が、 二振りに打ち分けたと伝えられる、妖刀乾雲と坤竜――。 離れれば互いに求めあい、持つ者に災いをもたらすこの二本の妖刀を巡り、 独眼隻腕の剣士丹下左膳、柳生七忍を率いる柳生源三郎、怪僧泰軒、謎の素浪人闇太郎らが 大江戸を舞台に峻烈な争奪戦を繰り広げるノンストップアクション! 本書は、1967年から「少年キング」誌上にて連載された林不忘原作の 時代劇小説『丹下左膳 乾雲坤竜の巻』のコミカライズ版全話を扉絵も含め完全収録している。 (同時期に松山英太郎が主演したTV版丹下がTBS系列にて放映されている。) 描き手は『サブマリン707』など数々の海洋SF漫画を手がけた才人小沢さとる。 オリジナルキャラの登場によるシナリオのアレンジや、 片手片目である左膳の強さにリアリティを持たせるなど小沢流が散見できる内容となっている。 そして、最大の見所は時代劇屈指のスーパーヒーロー丹下左膳を 強さと弱さを併せ持った人間味溢れる男に描きあげた事だろう。 作者は小沢さとる。 出版社はパンローリング。 掲載誌は少年キング。 現在1巻まで刊行。 読者評価 2.88 / 5。