
第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品 贈賞理由 誰にでも幼少期はあるが、誕生から6歳までという短い期間に3つの国で暮らすことは珍しいだろう。しかもそれは、フランスと、独裁政権下のリビアとシリアでの生活である。シリア人の父とフランス人の母という2つのルーツを持つ作者は、異なる文化を有する国々で幼い彼が見聞きし体験したことを驚くほど率直に描く。その一方で、表現には周到に工夫がなされ、それぞれの国の地面と印象に由来するという背景の色分けや、配給のバナナのおいしさ、早朝に突如響く礼拝の声などの印象的な音、そして特に匂いに関する細やかな描写などが読者の感覚に訴え、物語を立体的に感じさせてくれる。シンプルな描線のキャラクターを独特のリズムを持つコマ割りで描くことで、時に衝撃的な部分もある内容を淡々とユーモラスに伝えることに成功した本作は、希有な体験の貴重な記録であるとともに、すぐれたクリエイターのすばらしくおもしろいマンガ作品として贈賞にふさわしいと判断した。(川原 和子) フランス発200万部の超ベストセラー23か国語で刊行 シリア人の大学教員の父、フランス人の母のあいだに生まれた作家の自伝的コミック。 激動のリビア、シリア、そしてフランスで目にした、現在につながる混乱の根源とは――? 第42回アングレーム国際漫画祭・年間最優秀作品賞 池澤夏樹氏(作家)推薦 「二つの文化の間で育つのは大変だ。リアドが幸福になるのはまだ先かなあ。」 ◆書評掲載情報◆女のしんぶん(2020年2月10日) 公明新聞(2020年1月17日) 毎日新聞紹介記事(2019年10月18日、11月12日) 読売新聞(2019年8月25日 評者:一青窈) 文藝春秋(2019年8月19日号 評者:鹿島茂) 作者はリアド・サトゥフ / 鵜野 孝紀。 出版社は共栄書房。 現在2巻まで刊行。 最新刊発売日は2020-04-06。 読者評価 3.21 / 5。