
死刑を宣告され、死んだ。 「君を悪女などという安っぽい肩書のまま死なせるのは、少々惜しい気がしてきたのだよ」 「どうだ? 君にチャンスをやりたいのだが」 いや、死んだはずだった。 なのに、死に際に現れた仇ともいえる男の言葉のせいだろうか。 (ゲラン、あの野郎…!) 目を覚ますと、10年前の過去――。 しかも、パラレルワールドだった! せっかく生き返ったのだから、もう同じ過ちは繰り返さない。 「ここからそこまで、全ていただくわ」 「…これを全て買うのか?」 あの仇のような男を財布代わりに使い倒し、 「友人の孫娘は愛嬌も振りまくし、一緒に買い物にも行くというのにな」 「心にもないお世辞を言っておじい様方の財産を食いつぶしているだけです」 「……」 「お父様、夜会に出席することになったのですが、エスコートしていただけますか?」 「…もちろんだ。だが、私でいいのか?」 「ええ。その陰気な見た目さえ、どうにかしていただけるなら」 こじれていた家族関係も見事に修復した。 「…好きだと言ったら、ロゼリンを困らせてしまうだろうか?」 「では、半年だけ付き合ってみましょうか?」 「…はい?」 かつては諦めていた恋愛も完璧に軌道に乗せた。 思い描いたとおりの完璧な未来だったはずなのに……。 「ローズ、お前にもアビスがある」 無能力者だと思っていた私にも、どうやら能力があるらしい。 それは、まさに――。 作者はASIS / Hamal / JAEUNHYANG。