
ムンクは日本でも極めて人気のある画家のひとり。常に「生と死」に向き合い続けた作品の強烈さは他の追随を許さない程の迫力であるし、もはやキャラクター化して独り歩きしている作品『叫び』の浸透度を考えれば、その関心度の高さがうかがえる。本書は、そのムンクを扱ったグラフィックノベルによる伝記作品。現地では2012年〈一年で最も美しい賞〉と〈オスロ市芸術家賞〉を、2013年ノルウェーで最も権威ある文学賞〈ブラーゲ賞〉のノンフィクション作品賞を受賞している。ムンクの伝記は世界各国で数えきれない程たくさん出されているが、本作はユーモアを交え、彼の人物像を多面的に、深くえぐりだすことに成功しており、また、日本で出版されている伝記に決定的に欠けている、ムンクとその時代に生きた人々の生の声、言葉を物語として不自然でない形にした構成力は現地でも天才的と評され、絶賛されている。かつて出されたムンクの伝記のほとんどは美術評論家により書かれたものだったが、本作は優れた画家でもある漫画家により描かれたため、斬新な作品に仕上がっていることも大きな特徴となる。 作者はステフン・クヴェーネラン。 出版社は誠文堂新光社。 現在1巻まで刊行。 最新刊発売日は2018-08-06。 読者評価 3.38 / 5。